紙屋悦子の青春/2006年

  • 監督:黒木和雄  原作:松田正隆
  • 出演者:原田知世、永瀬正敏、松岡俊介、本上まなみ、小林薫
  • 上映時間:113 形式:カラー/35mm/ビスタサイズ
  • 製作:バンダイビジュアル/アドギア/テレビ朝日/ワコー/パル企画
  • 配給:パル企画

イントロダクション

日本中に感動の渦を巻き起こした『父と暮せば』の巨匠・黒木和雄監督が、今年4月12日に急逝しました。映画を愛し、戦争を憎み、平和を希求した75年の生涯でした。
『紙屋悦子の青春』は岸田國士戯曲賞などを受賞し注目の、松田正隆氏・傑作戯曲の完全映画化。戦争の記憶の風化が叫ばれる今、戦時下、生き抜く庶民の日常と、生き残った者の心情を鮮烈に、かつ暖かく描き出した本作が、黒木監督の最後の作品となりました。
舞台は終戦を間近に控えた鹿児島の田舎町。春、咲き誇る桜の樹の下で、二人の若者が美しく純朴な娘に恋をし、娘もまた、初めてのときめきに胸を焦がします。それはいつの時代にも存在する輝かしい青春の一ページ。しかし、戦争の業火は、若い命を呑み込み、生き残った者の心にも生涯消えることのない傷跡を刻み込んでいく…。
ヒロイン・悦子役には、「サヨナラCOLOR」「大停電の夜に」などの話題作が相次ぐ原田知世。
彼女を愛する海軍航空士官二人に扮するのは「隠し剣 鬼の爪」の侍役も記憶に新しい永瀬正敏、映画からテレビまで幅広く活躍する松岡俊介。彼らを見守る悦子の兄夫婦役を名優・小林薫、「群青の夜の羽毛布」主演の本上まなみを配する豪華な演技陣で、戦時下の切ない恋を現代へ蘇らせ、現代を生きる人々に戦争の不条理と決して忘れてはならない記憶を問いかけます。

MOVIE_2000

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