異形ノ恋／2002年

「忘れられない女」「東京女」でゆうばり国際冒険・ファンタスティック映画祭、インディーズ・ムービー・フェスティバルなどに波紋を投げかけた自主映画の異彩、堀井彩の劇場公開第1作。
人間の孤独、絶望、そしてその果てにある希望を徹底した肉体描写で描き出すその手法は、アメリカンニューシネマやヌーベルヴァーグ、ATG、ロマンポルノの影響を垣間見えつつ新たな驚きを見せてくれる。
主演は「キッズ・リターン」「日本の黒い夏」「竜馬の妻とその夫と愛人」などに出演した西川方啓。
「アナーキー・イン・じゃぱんすけ」「トーキョー×エロティカ」などの奈賀毬子、自主映画出身の田中愛理の二人がヒロインを演じ、寺田農、木下ほうからが脇を固める。
痛くて、切ない、青春恋愛映画だ。

絶望の淵を彷徨っているところを、同性愛者の女性・多菜子に拾われた晃。
彼は、自分が性的不能だと偽って、多菜子に部屋に転がり込む。
しかし、多菜子は晃の心などお構いなしで、恋人を部屋に連れ込みセックスを繰り返す日々。
やがて、晃の心は均衡を保てなくなり・・・。