【イントロダクション】
2014年、世界遺産に登録された「富岡製糸場と絹産業遺産群」。
それは、かつて日本人とフランス人の女性がともに、時代を切り開いた証しです。
明治初期、日本の近代化を大きく牽引した輸出品は重厚な「軍艦」ではなく、しなやかな「絹」でした。
その生産を支えていたのは、名もなき女性たちの手であったことをご存知でしょうか。
故郷を離れ、新しい日本のために糸をひき続けた若き工女たちと、フランスから、製糸業を通して日本の近代化に尽力した、製糸場の首長ポール・ブリュナとエミリ夫人、そして厳しくも温かいフランス人女性教師。彼女らによって、日本に新たな産業の風が吹き込まれたのです。
工女たちが、それぞれの不安や葛藤を抱えながらも、次第に身分や国境を超え、近代化という扉を自ら開いた先で手にしたものとは?そして「生糸の神様」と呼ばれたブリュナが日本に残したものとは……?
主人公・横田英を演じるのは本作品が映画デビューとなる水島優。映画「罪の余白」での熱演も記憶に新しい吉本実憂が英の幼馴染・鶴を演じます。さらに、50年後の英(和田英)役を大空真弓、製糸場長・尾高惇忠役を西村まさ彦、渋沢栄一役を豊原功補など豪華な顔ぶれが集結しました。
日本の近代化の始まりとそれを担った若き工女たちの姿を、長野・松代の工女・横田(和田)英の手記と取材資料をもとに紐解いていきます。

【ストーリー】
明治6年春、長野県松代区長の娘・横田英は反対する父を説得し、松代と新しい日本の為、同郷の河原鶴らとともに富岡製糸場に工女として入場した。
明治政府は明治5年、群馬県富岡市に西洋と日本の技術を融合した世界最大規模の製糸工場を設立したが、工女集めに難航していた。フランスから招いた“生糸の神様”と呼ばれるポール・ブリュナ達フランス人に”生き血を抜かれる”という荒唐無稽な噂話が全国に広がっていたからだ。

しかし、製糸場に到着した英が目にしたのは、これまで見たこともない別世界、美しいレンガの建物とピカピカの器械、そして西洋式の労働環境の中で真摯に糸を引く先輩工女たちの姿だった。
全国から集まった工女たちは、紅い襷を掛けることが許されている一等工女になり、一日も早く技術を習得し故郷に戻ることを夢見ていた。
その姿に刺激された英と鶴らも、紅い襷を皆で目指すことを誓った。だが現実は、フランス人教師の厳しい指導や時には待遇の差、容易ではない糸取り作業、苦労の連続だった。
そんなある日、彼女たちのもとへウィーンから驚くべきニュースが届けられた・・・。

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