【イントロダクション】
人間の持つ衝動的残虐性、性への飽くなき欲望。孤独のやりきれなさ、愛への渇望をひとりの青年の数奇な運命を通じて、見事に描いた問題作。
原作は異色の作家・花村萬月の同名小説。監督は『スパンキング・ラブ』の田中昭二。定評のある大胆かつスタイリッシュま映像感覚で、独特の世界をきめ細やかに描いている。

洗礼名“イグナシオ”前田一夫(いしだ壱成)は、生まれながらにして孤独である。しかし育ててくれた教護院に自分の居場所を見い出せないでいた。衝動的に外を飛び出すイグナシオ。なぜか行き着いた場所は新宿・歌舞伎町。欲望を孤独が交差するこの街には、愛に飢えるイグナシオにぴったりの街だった。だが、若さゆえに本能的な嫌悪感に歯止めがきかない。ホモは殺す、チンピラも殺す、親友も殺す――。そんな時、売春婦の茜(鷲尾いさ子)と知り合う。しだいに心を許していくイグナシオの“愛”の歪んだ表現方法は簡単には変わらない――。